南スーダンの郡(County)は、州の下にある第二級行政区画である。郡は複数のパヤーム(Payam、コミュニティと訳される場合もある)を束ねる。郡の代表(知事)はCounty commissionerと呼ばれている。
変遷
まだ南スーダンがスーダン共和国より分離する前、2008年の国勢調査では南部スーダンに78の郡(英語: District アビエイを含めると79郡)が存在した。2008年以降アコカ郡が設置され、79郡となる。2011年に南部スーダンで独立を問う住民投票が実施された。住民投票はアビエイを除く10州79郡で行われ、どの州・郡でも独立賛成派が多数を占めた。その結果南スーダンは独立を達成し、この時にDistrictからCountyと名称が変更された。独立後、一部の州で郡が再編された。
2015年10月、サルバ・キール・マヤルディ大統領は州の再編を発表。州は10から28へ増加することとなり、84の郡は新州へ分配された。また1つの郡が単独で州に昇格することもあった。再編後、多くの州で既存の郡は分割されていった。2016年4月の「新郡創設願い」では25州が合計217郡の設置を要求している(ただし一部の州では設置されず)。
2017年には28州の一部が変更され32州となり、郡も一部の所属が変更された。リストには郡は83と郡の増加がほとんど反映されていないがあくまでリスト上の話であり、ほかの報道によれば新たな郡も存続している。もっとも南スーダンは2013年より続く内戦によって内政は不安定であり、情報についても一部不明確なところがある。また2015年および2017年の州再編については南スーダン政府と反政府勢力の主張が異なっており、政府が任命した知事と反政府勢力が任命した知事双方が郡設置を宣言する事態となっているところもある。
2020年2月15日、内戦の和平プロセスの一環として行政区画を独立当時に戻すことが決まった。これにより郡も79郡に戻された。ただし一部は当事者間の折り合いがつかなかったため、元居た州ではなく特別行政区に移管された。
現在の郡
2008年の国勢調査および2011年の独立住民投票が実施された79郡およびアビエイの一覧。このうちアビエイはスーダン共和国との領土問題となっているため郡としない場合が多い。また国勢調査以降に新設されたアコカ郡に関しても一覧に含まないことがある。
- 表注
- 統計は2008年国勢調査に基づいているため、現在とは異なる場合がある。
- 地方
- B - バハル・アル・ガザール地方
- E - エクアトリア地方
- U - 上ナイル地方
2011年 - 2020年
2011年の独立投票以降に設置された郡の一覧。このうちバガリ、グウォー、ジェメザ、コマ、タリ、ティゴーの6郡は2015年および2017年の再編リストに名前が載っている。新たに作られた郡の多くが2015年以降の新州の知事によって設置されている。この中で北部リエチュ州では新たな郡が設置されたが、名称は公開されていない。
2020年の和平プロセスで独立時に行政区画が差し戻されたことで廃止された。
郡と同格の都市(基礎自治体)
基礎自治体は郡と同格であり、同じく第二級行政区画として州を構成する。
- アウェル - アウェル州
- ボル - ジョングレイ州
- トンジェ - トンジェ州
- ワニュジョク - 東アウェル州
脚注
外部リンク
- Population projections for South Sudan by County from 2015 - 2020 (PDF) (英語) - 南スーダン国家統計局(SSNBS)
- South Sudan: Country Level Operational Presence (3W: Who does What, Where)(2017年11月) (PDF) (英語) - 国際連合人道問題調整事務所(OCHA)




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