山村 哲夫(やまむら てつお、1951年2月9日 - )は、日本の元俳優、子役、スーツアクター(ぬいぐるみ役者)。東京都出身。
経歴
1965年、帯ドラマ『小さな目』(TBS)でデビュー。
同年、特撮ドラマ『ウルトラQ』第10話に靴磨きの少年役で出演。その際、撮影現場で見た怪獣「M1号」の着ぐるみや、「地底超特急いなづま号」のミニチュアの出来のよさに感動し、以後、学校そっちのけで円谷プロの現場に入り浸るようになった。この際、怪獣倉庫にある着ぐるみには一通り入ってみたとのこと。
1966年、『快獣ブースカ』のプロデューサー・守田康司に「明日から来い」と言われ、ブースカの弟「チャメゴン」のスーツアクターを務めることになった。当時中学生だった山村には過酷な仕事だったが「ぬいぐるみ役者は僕の天職」と思っていたため苦ではなかったという。
1967年、『ウルトラセブン』放映開始。当初、怪獣・宇宙人は荒垣輝雄や中村晴吉、鈴木邦夫らが務めていたため、山村は、怪獣ショーやスチール写真の着ぐるみに入っていたが、第25話の怪獣「ガンダー」から、テレビの仕事を任せられるようになった。
その後も『チビラくん』『ファイヤーマン』など、数々の円谷作品でスーツアクターを務めた。
これまで関連書籍などに登場する機会がなかったが、2000年代以降に発行された「ウルトラシリーズ」関連の書籍に取材記事が掲載されている。これらの書籍では当時の現場スタッフとして、撮影裏話や、従来のデータ(スーツアクター関連)の誤りを指摘するなど貴重な証言を行っている。
2024年に甥が『開運!なんでも鑑定団』に出演した際に、現在は介護施設に入居していることが語られている。
出演作品
映画
- 怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス(1972年) - ダイゴロウ
テレビ
- 小さな目(1965年)
- ウルトラQ
- 第10話「地底超特急西へ」(1966年) - 靴磨きの少年・イタチ
- 第20話「海底原人ラゴン」(1966年) - 漁師町の少年
- ウルトラマン 第9話「電光石火作戦」(1966年) - 敏男(高原少年団・団長補佐)
- 快獣ブースカ(1967年) - チャメゴン
- ウルトラセブン
- 第7話「宇宙囚人303」(1967年) - 水島誠
- 第25話「零下140度の対決」(1968年) - 凍結怪獣ガンダー
- 第29話「ひとりぼっちの地球人」(1968年) - 宇宙スパイ プロテ星人(特撮パート)
- 第31話「悪魔の住む花」(1968年) - 宇宙細菌ダリー
- チビラくん(1970年 - 1971年) - ポチポチ、店員(第50話)、係員(第76話)
- ファイヤーマン(1973年) - バローグ星人、ムクムク、第22話以降の怪獣宇宙人
- ウルトラマンタロウ 第4話「大海亀怪獣 東京を襲う!」、第5話「親星子星一番星 」キングトータス/クイントータス/ミニトータス(1973年)
- ジャンボーグA 第23話「祭りだ! おみこし大変身」(1973年) - 神輿怪獣ストーンキング(前部)
- クレクレタコラ(1973年 - 1974年) - チョンボ
- ウルトラマンレオ 第35話「おいらは怪獣大将だ!」(1974年) - わんぱく怪獣タイショー
- 少年探偵団 第9・10話「BD7危機一髪!」(1975年) - ロボター7
- 恐竜戦隊コセイドン(1978年) - ビックラジィー ※第10話まで
- ピーマン白書(1980年) - エックス
- ウルトラマン80 第39話「ボクは怪獣だ〜い」(1981年) - 少年怪獣テツオン
CM(ぬいぐるみ出演)
- エースコック 走れ!牛ちゃん CM 笑福亭鶴瓶 ウシ 着ぐるみ役
- 森永乳業 クリープ 1989 ウシ 着ぐるみ役
- ペプシ ミリンダ 着ぐるみ
- 日立 日立エアコン 白くまくん 白くまくん着ぐるみ役
- コカコーラ HI-Cエード 缶の着ぐるみ役
- SB アメリカせんべい 樽型ロボット役
- 明治 ロックンたぬき 疑似化たぬきぬいぐるみ
- シャープ ペチカ坊や
- 花王 コルゲート むくむくぬいぐるみ
脚注
注釈
出典
参考文献
- 『大人のウルトラ怪獣大図鑑』(マガジンハウス・2012年)
- 講談社 編『キャラクター大全 ウルトラセブン』講談社、2012年。ISBN 978-4-06-217833-4。
- 『別冊映画秘宝ウルトラセブン研究読本』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2012年。ISBN 978-4-8003-0027-0。
- 山村哲夫さん 本人聞き取り 2022年度 ウルトラソフビ博物館 笠原




