ディエンビエンフー(ベトナム語:Điện Biên Phủ / 奠邊府 発音)は、ベトナム北西部のラオス国境に近い、ディエンビエン省の省都。盆地の町である。
歴史
- ムアン・タンには、かつて都市国家があった。698年にムアン・タンのクーン・ロー王子がムアン・スワーに攻め込み、スワー侯国を建てた。
- 1253年のモンゴル帝国(元)の侵攻以後、スワー侯国は混乱期に入ったが、1353年にファー・グム王によりラーオ族の統一王朝ラーンサーン王国が建てられた。
- 第一次インドシナ戦争におけるディエンビエンフーの戦い(1954年)で有名。この戦いでフランス軍がベトミン軍に降伏した。
- 1992年にディエンビエンフーは町に、2003年には市へと昇格した。
- 2004年にディエンビエン省が分割される前は、ライチャウ省の一部であった。
行政区画
以下の7坊5社から構成される。
- ヒムラム坊(Him Lam / 馨嵐)
- ムオンタイン坊(Mường Thanh / 芒淸)
- ナムタイン坊(Nam Thanh / 南淸)
- ノーンブア坊(Noong Bua)
- タンタイン坊(Tân Thanh / 新淸)
- タインビン坊(Thanh Bình / 淸平)
- タインチュオン坊(Thanh Trường / 淸長)
- ムオンファン社(Mường Phăng / 芒播)
- ナーニャン社(Nà Nhạn / 那雁)
- ナータウ社(Nà Tấu / 那湊)
- パーコアン社(Pá Khoang / 巴桄)
- タインミン社(Thanh Minh / 淸明)
地理
ディエンビエンフーはムオンタイン渓谷(芒青渓谷)の中に位置しており、その盆地は長さ20キロメートル、幅6キロメートルの、南北に細長いハート型をしている。ディエンビエンフーはディエンビエン省の省都であるが、省の西の端にあり、ラオスとの国境からほど近い。
気候
ケッペンの気候区分によると温暖冬季少雨気候である。ハノイなど北部の低地と比較すると冬場の天候は良く、晴天も多いものの気温が下がる。夏は降水量が多く、ほぼ毎日降水がある。夏でも極端な高温になることは少なく、ベトナムでは冷涼な気候である。
住民
民族
住民の中ではタイ族が最も多い。ベトナム全土で多数派を占めるキン族をはじめ、モン族やシラ族などの少数民族は、合わせても3分の1程度である。
言語
宗教
人口
ディエンビエンフーの人口はその定義される範囲によって異なるが、7万人から12万5000人の間とされる。ディエンビエンフーの町は急速に発展しており、2020年までに人口が15万人に達すると予測されている。
作品
- ディエンビエンフー (漫画) - 西島大介作の青年漫画
出典




