コイラノス(古希: Κοίρανος, Koiranos, 英: Coeranus)は、ギリシア神話の人物である。主に、
- ポリュイードスの父
- ポリュイードスの子
- イーピトスの子
- イードメネウスの御者
が知られている。以下に説明する。
ポリュイードスの父
このコイラノスは、レロスのペレキュデースによると予言者メラムプースの子マンティオスの子クレイトスの子である。これに対し、パウサニアースは同じくメラムプースの子アバースの子としている。この人物は、予言者ポリュイードスの父と伝えられている。
ポリュイードスの子
このコイラノスは、予言者ポリュイードスの子で、クレイトス、アステュクラテイア、マントーと兄弟である。よって、上記のコイラノスの孫にあたる。パウサニアースは、トロイア戦争に参加したエウケーノールの父と伝えている。しかし、ホメーロスはエウケーノールをポリュイードスの子としている。
イーピトスの子
このコイラノスは、リュキア人イーピトスの子である。サルペードーンの指揮のもとトロイア戦争で戦ったが、アラストール、クロミオス、アルカンドロス、ハリオス、ノエーモン、プリュタニスとともにオデュッセウスに討たれた。
イードメネウスの御者
このコイラノスは、クレータの王イードメネウスの御者である。トロイア戦争において、パトロクロスの遺体をめぐる戦闘でヘクトールに討たれた。
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- オウィディウス『変身物語(下)』中村善也訳、岩波文庫(1984年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- ホメロス『イリアス(上・下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)




